葡萄の贈り物 2

扉番の修道士は一房の葡萄を目の前に置き、
午前中ずっとそれを眺めて過ごした − それは本当に美しかった。
それゆえ、彼はその贈り物を修道院長に届けることにした。
修道院長はいつも、英知のことばで彼に刺激をあたえてくれていたからだ。
修道院長は葡萄を大いに喜んだが、
修道院には病気の修道士がひとりいることを思い出し、こう考えた−
−『この葡萄を彼にあげよう。もしかしたら、彼の人生に喜びをもたらすかもしれないから』
しかし、葡萄が病気の修道士の部屋にとどまった時間は長くなかった。
彼はこう考えたからだ−
−『料理番の修道士は私を心配して、一番いい食べ物で栄養をつけてくれた。
これは彼に大いに幸せをもたらすにちがいない。』
料理番の修道士が昼食の時間にあらわれると、彼は葡萄を差し出した。
−『これはあなたのものです。自然があたえてくれる産物にいつも触れているあなたなら、
この神の御業をどうしたらいいかご存じでしょう』
料理番の修道士は葡萄の房の美しさに息を飲み、
助手にも葡萄の完璧さを見せた。
それはいかにも非の打ち所がなく、
聖具番の修道士以外にその真価がわかる人はいそうになかった。
彼は大切な聖体の保管をまかされ、修道院じゅうから聖人と見なされているのだった。
− つづく −
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