葡萄の贈り物 3

ところが、聖具番の修道士は、
葡萄を一番若い修練士にあたえた。
神の御業が被造物のどんな小さな細部までも
行き渡っていることを理解できるようにと考えてのことだった。
それを受け取ると、修練士の心は主の栄光で満たされた。
これほど美しい葡萄は見たことがなかったからだ。
と同時に彼は、初めて修道院にやってきたときのことを、
そして最初にその扉を開いてくれた人物のことを思い出した。
奇跡を味わうことのできる人たちのこの共同体に今日、
自分がいられるのも、あのとき扉を開いてくれたからだったのだ。
そこで、日暮れ前に、彼は葡萄の房を扉番の修道士のところに持っていった。
『どうぞ食べて、味わってください。あなたは長い時間をここでひとり
過ごしているのですから、この葡萄で元気をつけてください。』
扉番の修道士はその贈り物が本当に彼に差し向けられたものだったことを理解し、
房の葡萄をひとつひとつ味わい、幸せに眠りについた。
こうして、輪は結ばれた。
この幸福と歓喜の輪は<愛のエネルギー>と
接触している人のまわりにいつまでも広がっている。
おわり
よろしければ、応援クリックお願いしますね。


