春過ぎて夏来るらし 白妙の衣干したり 天の香具山

父の祖先は真田流忍者、母の祖先は伊賀流藤林党忍者。そんな両親をもつ早紗のブログです。 


葡萄の贈り物 1

ぶどう


−ある朝、一人の農夫が修道院の扉を激しく叩いた。
                扉番の修道士が扉を開くと、
                  農夫は見事な葡萄を一房差し出した。



『敬愛する扉番の修道士様、これは私の葡萄畑でとれた
 一番美しい葡萄です。これを差し上げるためにやって来ました』


『それはありがたい!すぐに修道院長様に届けましょう、
 この捧げ物をさぞかし喜ばれることでしょう』


『違います! 私はあなたのために持ってきたのです』


『私のために? こんなに美しい自然の恵みは私にはふさわしくありません』


『いつでも私が扉を叩くと、あなたが開けてくれました。
 干ばつで作物がだめになって助けが必要だったとき、
 あなたが私に一切れのパンと一杯の葡萄酒を毎朝くださいました。
 この一房の葡萄があなたにわずかであれ、
 太陽の愛と、雨の美と、神の奇跡をもたらしてほしいのです』


                              − つづく −


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